2012年02月20日
音の表情

2月13日の紹介記事でアコースティックピアノの約5500個の精密な部品から成るアクションと呼ばれる打弦機構についてお話しました。今回は、足で操作する「ペダル」についてです。
アップライトピアノ(UP)もグランドピアノ(GP)の3本のペダルがあります。UPは左から、ソフトペダル、マフラーペダル、ダンパーペダルを備え、ソフトペダルを踏むと弦を叩くフエルトハンマーが弦に近づき、音がソフトになります。マフラーペダルを踏むとハンマーと弦の間に薄いフエルトがおりて、音量を下げます。ダンパーペダルを踏むとダンパーが弦から離れ、鍵盤から指を離しても音が長く響きます。ペダルはピアノの音の表情を豊かにする大切な役目を持っています。
さらにGPは、UPとは違うペダルを備えています。左からシフトペダル、ソステヌートペダル、ダンパーペダルの3つです。ダンパーペダルはUPと同様ですが、シフトペダルは踏むと鍵盤を含むアクション全体が右にスライドして1音(1鍵盤)に3本ある弦の内2本を叩くようになります。(低音は1本弦、中音は2本弦)微妙に音量を下げます。ソステヌートペダルは鍵盤を弾いた後でペダルを踏むと、その音だけが、指を離しても長く響きますので音の余韻の残る中、次の演奏を行えます。
2月6日の生誕150周年となる作曲家ドビュッシーをはじめとする近代以降の作曲家には、ソステヌートペダルの効果をうまく生かした曲があります。より高度な音の表現が可能となっています。
流石に300年の歴史を持つ「楽器の王様」ですよね!
それでは本日も一日ファイト~いっぱ~~つっ!!